衆院3補選「自民全敗」で号砲か? 議員バッジかけた「岸田降ろし」と「会期末解散」の攻防

公開日: 更新日:

 岸田政権の命運を占う衆院の3補欠選挙はいよいよ28日が投開票だ。自民党は不戦敗の東京15区、長崎3区に加え、唯一公認候補を擁立した島根1区も敗戦がほぼ確実で、3選全敗となりそう。国民に見放された政権に対し、いよいよ自民党内で「岸田降ろし」の号砲が鳴るのか? それともあらがって岸田首相は6月の国会会期末に解散総選挙に踏み切るのか?

  ◇  ◇  ◇

「普通は責任を取って、潔く辞めてもおかしくない。しかし、岸田首相は常識が通じない人だから、辞める気はないでしょう。補選全敗を受け、岸田首相が敗戦の弁で何を言うのか。注目されるのは、自らの進退と解散総選挙についての発言です」

 こう話すのは政治評論家の野上忠興氏だ。岸田首相の発言次第では「岸田降ろし」が表面化する可能性があるとみる。

■「反岸田勢力は補選が終わったら動く」

「反岸田勢力は今は静かにしているが、補選が終わったら動く。菅前首相を中心に水面下でタイミングを見計らっている。補選全敗で地方県連からは『岸田首相では選挙はやれない』という声が出てくるでしょう。世論の反応も見ながら本格的に動き出すのではないか」(野上忠興氏)

 秋の総裁選に向け「ポスト岸田」を狙うメンメンも蠢き出す。

「石破元幹事長、高市経済安保相、河野デジタル相、野田聖子元総務相が勉強会で発言を活発化させていくでしょう」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 党内には「補選全敗の責任を取って、茂木幹事長が辞任するのではないか」という観測がある。総裁選に意欲満々の茂木氏にとっては、いったん、落ち目の岸田政権と距離を取った方が得策というわけだ。一方で、岸田首相の側が茂木氏を斬るという見方もある。

「首相に近い木原誠二幹事長代理が25日に会合で、『政権交代が起こってもおかしくない』と発言しています。これは茂木氏を降ろして別の幹事長で総選挙を戦うということを意味している。GW明けには幹事長を辞めざるを得ないでしょう」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ

  4. 4

    裏金自民が「11議席増」の仰天予想!東京都議選告示まで1カ月、飛び交う“怪情報”の思惑

  5. 5

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  1. 6

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋

  2. 7

    候補者調整が終わり、参院選大勝が見えた国民民主党だが…玉木代表が抱えた“爆弾”の正体

  3. 8

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  4. 9

    江藤拓前農相は米高騰の“黒幕”には使い勝手がよかった

  5. 10

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ