石破首相の外遊以上に自民党内で注目浴びる岸田前首相の外遊…東南アジアの巨大利権を独り占め

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 岸田が昨年秋、自民党総裁選で自ら敷いた政策路線の継承を条件に石破の支持に回ったことは周知の事実。AZECは岸田にとってその一丁目一番地ともいえる。

 昨年12月には間髪入れず、AZEC構想推進議連を立ち上げ、最高顧問に就任。設立総会では「官と民、そして政治が力を合わせて進めなければならない」と参加議員に呼びかけ、石破政権の東南アジア外交の手足を縛った。

 さらに岸田は東南アジア歴訪を控えた4月16日、国際機関“東アジア・ASEAN経済研究センター”(ERIA)を支援する超党派議連の最高顧問に就任している。

 ERIAは2008年、東アジア版OECD構想として日本政府の呼びかけで設立された。

「議連は二階さんが立ち上げ、実質的には日本の中国韓国、東南アジアに対する投資、援助の窓口的役割を担ってきました。今回、岸田さんが最高顧問に就任したことで二階さんは名誉顧問に棚上げとなり、会長には萩生田光一が就任。国内外に東アジア利権政治家の世代交代を印象づけた格好です」(古参の自民党議員秘書)

 石破政権の生みの親ともいえる二階、菅コンビが表舞台を退き、もう一人の実力者、麻生太郎元首相の引退が現実味を帯びる中、“我が世の春”を謳歌する岸田の東南アジア歴訪である。

 この調子だと、再登板も十分にありそうだ。 (特命記者X)

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