ルフィの犯罪収益金も洗浄し還流していた…「金庫番」を担うマネロン組織の手口と実態
ロンダリングした暗号資産は、福井容疑者が現金化して運搬役の相田容疑者が受け取り、樋口容疑者が以前、暮らしていた都内の自宅に届けていた。樋口容疑者宅には犯罪グループから洗浄を依頼された詐取金に加え、ルフィグループが強盗事件で奪った被害金の一部約1000万円も運び込まれていた。
樋口容疑者らのマネロン組織は資金洗浄のほか、特殊詐欺やFX投資詐欺にも関わり、少なくとも11億円相当の暗号資産を現金化していたことが確認されている。
警察庁サイバー特別捜査部と愛知県警が特殊詐欺事件の金の流れを分析。だまし取られた現金が海外の取引所で暗号資産に交換され、名古屋市の31歳の男の口座に入金されていたことを突き止めた。これをきっかけにマネロン組織の存在が明らかになった。
「31歳の男の口座には2020年から2年8カ月の間に、出どころが分からず、資金洗浄されたとみられる約33億円もの出入金があった。その口座を管理しながら、特殊詐欺事件に関わっていたのが、昨年5月に愛知県警に逮捕され、再逮捕された福井かおりです。福井自身も海外の暗号資産の大手取引所に口座を開設。そこで高齢者などからだまし取った犯罪収益金約1億7500万円分のビットコインを別の暗号資産に交換して暗号資産管理アプリに移し、隠していた」(前出の捜査事情通)
複雑な暗号資産の動きを解明したことで、犯罪グループの実態が明らかになる。