日体大に「飛び級」合格も…激化する大学の高梨沙羅“争奪戦”
松浪理事長は寛也さんに「スキー部強化に力を貸してほしい」と話しているという。
そもそも大学の「飛び級入学」は文科省の肝いりで97年にスタート。特定分野に優れた高校生は卒業しなくても大学に入学を認められる制度。当初は数学、物理だけだったが、01年から全分野で導入された。体育では日体大だけが採用。五輪や国際大会での上位入賞者でスポーツに特に優れた素質を持つことが受験条件だ。書類審査、小論文、面接で選考され、高梨はその合格者第1号だ。
高梨にとっても今回の「飛び級」ニュースは大きなメリットがあった。ソチ五輪では金メダル確実といわれながらよもやの4位。メダルなしで終わり、「沙羅フィーバー」も一転、沈静化してしまった。W杯では五輪をはさんで6連勝しているものの、2年連続でW杯ジャンプの総合優勝を決めているだけにインパクトはない。
その点、「飛び級合格」となれば学問に関する明るい話題。もともと高校入学4カ月で高校卒業程度認定試験(旧大検)に合格するなど、「勉強好き」の高梨にはピッタリのテーマでイメージアップにもつながる。