超狭き門…元プロ選手が憧れる高校野球監督就任の“現実”
今年のはじめのことだ。タイトルも取ったことのあるプロ野球OBに、某高校から野球部監督就任の要請がきた。
その高校はスポーツに力を入れている。OBは昨年、プロ側、アマ側の研修を受け、高校生と大学生を教える資格は回復した。
理事長にも会い、「月給は20万円」の条件を提示された。高校球界では甲子園請負監督などといわれ、「月給100万円」の監督もいることを聞いていた。それでも高校生に自分の技術、経験を伝えられ、チームを強くするために少しでも役に立てるのならと引き受けた。就任前に指導にも行った。
自宅から高校までは車だと小1時間かかる。本格的に教えるにはその時間も惜しい。思い切って家族ともども高校の近くに引っ越すことを決意した。学校に家賃のことで相談すると、「寮に入ればいい」との返事。
トシを取って寮暮らしはシンドイし、そもそも家族は入れない。そんな話をしようとしたら、「それなら結構です」といわれ、監督の話が流れてしまった。
■「教えたいOB」と「利用したい学校」