GL2戦終えて3分5敗…懸念されるW杯「アジア枠」削減
「おまえたちは、アフリカで行われたW杯でいくつの代表が決勝トーナメントに残ったんだ? 気の毒だと言うならば、アフリカが譲ればいい。アフリカは弱いんだから」
この会話は、10年W杯南アフリカ大会の直後のことだ。南ア大会では、アジア代表4カ国のうち、日本、韓国の2カ国がベスト16に進出。悪くない結果を残していたのでアジア枠を削れとは言ってこないだろうと安心して小倉氏はそのやりとりを聞いていた。
しかし、今大会のアジア代表の成績は、ここまで3分け5敗。気温、湿度など環境対応に厳しい面があったとしても、アジアの国々の実力不足を露呈することになった。大会後、アジア枠削減が話題になることは間違いない。
日本のテレビなどはコロンビアを破って得失点差で決勝トーナメント進出なんて能天気な夢を語っている。
しかし、2試合で1点しか取れていない日本代表の現実を見たほうがいい。夢物語を口にするよりも、アジア枠を削減されないために、1点でも多く取る――。それがアジア代表となった国の責務である。
文・田崎健太(ノンフィクション作家)