錦織がマリーに圧勝 勝敗分けたのは「第2セット第9ゲーム」
初戦は予想外の圧勝だった。
男子テニスの年間王者を決める、世界ツアー最終戦ATPツアー・ファイナルがロンドンの「O2アリーナ」で開幕。世界ランク5位の錦織圭(24)は現地9日(日本時間同23時開始)、ラウンドロビンB組初戦で同6位のマリー(27=英国)と対戦。過去3度対戦して1セットも取れなかったロンドン五輪金メダリストを、6-4、6-4のストレートで下した。
錦織は地元選手とのオープニングマッチで硬くなっていたのか、第1セットからサーブミスを連発。第5ゲームをブレークされるが、第6ゲームは左右に打ち分けるラリーでミスを誘い、マリーのダブルフォルトでブレークバックに成功する。5-4で迎えた第10ゲームは、ドロップショットや鋭いフォアからのショットでブレーク。第1セットを奪って試合の主導権を握ると、第2セットは苦戦しながらもモノにした。
テレビで観戦していたテニスジャーナリストの塚越亘氏は錦織の勝因を、「その第2セットでマリーに逆転を許さなかったこと」だという。
「錦織は3ゲームを先取して、4―0にするチャンスが3回もありながらも4-4まで挽回されました。これが死んだフリしてゲームを進めるマリーの真骨頂。相手に攻撃させて、豊富な運動量と勘の良さで反撃に転じるのです。錦織がもう少し若かったら、2セット目は4-4からズルズルいって、おそらく逆転負けを喫していたでしょう。4-4の直後に自分のサービスゲームをキープして迎えた第10ゲームにリターンから攻めて最初のポイントを取ると、バックにきたセカンドサーブをサイドラインに打ち返すリターンエースでポイントを連取。このショットでマリーに大きな重圧をかけられました」(塚越氏)