試合時間を史上最長にしたメジャーの「チャレンジシステム」
多くの選手の間で不評だったのが今季から導入されたメジャーリーグの「チャレンジシステム」(ビデオ判定)だ。
ジャッジの正確性を目的に本塁打に加えてアウト、セーフの判定にも適用。際どい判定に対し、各球団の監督は積極的にチャレンジを要求。今季は実に1276回のチャレンジがあった。
ジャッジが覆ったケースでは明らかな誤審も少なくなかったとはいえ、中には微妙なプレーもあった。開幕間もない4月13日のヤンキース戦ではレッドソックス・ファレル監督が判定が覆ったことに納得せず審判に猛抗議して退場処分。翌14日にはレンジャーズ・ワシントン監督が同様にベンチから退いた。両監督とも「ビデオに頼らなくても済むように完璧なジャッジを下してくれ」と口を揃えた。ジャッジの公平性、正確さを求めた結果、審判の権威は地に落ちたのだ。
ちなみにチャレンジが乱用されたこともあり、今季の1試合の平均時間は3時間2分21秒と史上初めて大台に到達した。時短を目指すMLBにとってビデオ判定のスピードアップも課題のひとつだ。