ヤ軍は戦力上積みなし 2年目マー君の「右肘」に大きな負荷が
「ローテーションの中でのリズムは自分の頭の中にあるので、それだけでも去年と比べてアドバンテージだと思う」――。
去る10日、メジャー2シーズン目に向けて渡米したヤンキースの田中将大(26)は、自信たっぷりにこう話した。
自主トレ中にブルペン入り。捕手を座らせ20球程度を投げ込んだそうで、「あとは強度を上げていくだけ。(調子は)上がってきている。やることはやれている」と順調な仕上がりを強調した。
だが、リスクとは隣り合わせといえる。昨年7月、右肘靱帯部分断裂でPRP(多血小板血漿)療法を受けたものの、断裂箇所は完治していない。
田中のように登板過多の投手は、球種の見直しや投球フォームの矯正が必要とされるが、このオフは一切、行っていないそうだ。去年と同じ投球フォームで球種に工夫がなければ、いつ再発してもおかしくない。
■昨季より期待薄な打線の援護
今季のヤンキース先発陣の顔ぶれを見れば、田中にエースとしての期待がかかるのは当然。左腕サバシア(34)は右膝の故障から復帰するとはいえ、過度な減量によって体のバランス、投球フォームを崩し、かつての輝きを失った。3番手右腕ピネダ(26)にしても昨季痛めた右肩の不安があり、期待はされても計算しにくい。田中にかかる負担が昨季以上に増すのは必至だ。