ヤ軍は戦力上積みなし 2年目マー君の「右肘」に大きな負荷が
大型補強を敢行した宿敵レッドソックスとは対照的に、野手陣も不安は尽きない。ベテランのテシェイラ内野手(34)とベルトラン外野手(37)は故障がちだ。
ドーピング違反による出場停止処分明けのA・ロドリゲスは、今年7月で40歳。実戦から遠ざかっているだけに往年の打撃は期待しにくい。引退したジーターに代わって遊撃を守る新加入のグリゴリアス(24=前ダイヤモンドバックス)にしても、昨季は80試合に出場して打率2割2分6厘。ジーターの後釜にしては打撃力不足は否めない。
田中の昨季の1試合当たりの援護点は4.4。打線の援護がある程度は計算できたものの、今季はそうもいかない。好投しても報われず、勝ち星がつかないケースが増える可能性は十分にある。
田中は今季の目標としてワールドシリーズ進出を口にしている。世界一を決める舞台でのバースデー登板(11月1日)を視野に入れており、「13年の日本シリーズでは、誕生日の翌日に投げて負けた。次は勝ちたい」と話しているが、ヤンキースの陣容を見る限り投打ともに上積みはなし。田中ひとりにオンブにダッコといったあんばいで、不安だらけの右肘は果たしてそこまでもつのかどうか。
その負荷の大きさを考えたら、本人が「ローテーションのリズムは頭の中にある」というアドバンテージなんて、あってないようなもの。ジラルディ監督が今季のノルマとして課した「32試合の先発」も厳しいかもしれない。