男娼買春で獲得断念 D・スチュアート事件の一部始終

公開日: 更新日:

「1年前の1月、ロスで買春行為で逮捕され、執行猶予付き禁錮45日、罰金120ドル(当時のレートで約2万4000円)、保護観察付き1年の判決を受けている」というのがその内容だった。

 岩本氏(84)が当時をこう振り返る。

「担当者を介して本人に確認したら『性器を触られた。ノー、と突き放したが、ちょうどそこに警察がやってきた』との説明だった。相手はルビーという男娼で、前から警察に目をつけられていたそうだ。それで逮捕となった。スチュアートは自ら名乗り、警察の取り調べにもきちんと対応したと聞いた。軽犯罪ではあるし、1年経てば保護観察処分も解ける。そうなれば入団、来日には問題がないと判断していた」

 事件の一報を受けた王監督は「われわれは野球の技術を買っている。モラルばかり求めないでくれ。保護観察処分といっても、その後、しっかりしていれば」と獲得に積極的だった。

 そこに「待った」をかけたのは親会社の読売新聞社だったという。当時、エイズが大きな社会問題になっていた。同性愛男性の患者が多いことから、差別や偏見が顕在化していた。男娼との関係が明るみに出た選手を入団させたときの「イメージダウン」を恐れたようだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」