長嶋がすがった幻の逆転ホームラン

公開日: 更新日:

 すでにその時点で巨人、読売サイドは「長嶋解任」に向けて動きだしていたのだろう。

「今から考えれば、3位なら続投というのは『長嶋解任』を表面化させず、混乱を生じさせないための情報だったと思う」(菅谷氏)

 長嶋が会見を行う朝、いくつかのスポーツ紙が「長嶋解任」「辞表」と報じた。当時、東京中日スポーツの巨人担当記者だった高田実彦氏(現スポーツライター)は、その記事を見ても続投の目はあると思っていた。

「新聞に解任と出た前日、巨人は広島で行われた月曜日のデーゲームでした。客は1万にも満たず、曇り空のどんよりした中で巨人が逆転勝ち。シーズンを61勝60敗9分けで終えた。(勝率)5割以上で3位を決めた直後の長嶋監督は、『来年は勝負の年になる』と力強く語っていましたから」

 高田氏は翌日の夕方、東京・大手町の読売新聞本社で行われた長嶋の会見に行った。

「7階の大会議室には報道陣が300人以上はいましたね。私は一番後ろから長嶋監督の表情をじっくり見ていました。もう、吹っ切れたという感じでしたね。実は担当記者の中にも、長嶋采配に疑問を持っている者が少なくなかった。でも、『男のけじめをつけ、責任を取りたい』という潔い言葉を聞き、一転して巨人系列紙以外は、みんな長嶋という人間を見直して解任を批判したものです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット