満身創痍の原巨人 バックアッパーに“浪人”中村紀が急浮上
■一塁・阿部、三塁・村田の不安
23年ぶりに6連敗で終えたオープン戦は、6勝11敗(1分け)で12球団中11位。チーム打率.212はワースト2位、3本塁打は12球団最少と深刻な貧打に、首脳陣は頭を抱えている。昨季の開幕4番の村田修一(34)はキャンプ中から極度の不振に見舞われ、二軍調整を命じられる始末。復帰した22日のロッテ戦でもポテンヒットを1本打つのがやっとだった。“新成巨人”の4番候補として期待された高卒7年目の大田泰示(24)は肉離れで離脱。
結局、この男に頼るしかないかと開幕4番に内定した阿部慎之助(36)は、オープン戦で4番に固定されるや、右肩に打球を当てて最終戦を欠場した。
巨人OBの評論家・橋本清氏が言う。
「入団以来14年間も正捕手を務めて満身創痍だった阿部は、肉体的な負担を軽減するために一塁へコンバートされた。しかし、キャンプ中には『捕手にはない体の切り返しや瞬発的な動きがあるので、思った以上に大変です』と言っていた。その後、右ふくらはぎを痛めて離脱したことを考えれば、起用には一定の配慮も必要になってきます。三塁の村田は打率.256、21本塁打に終わった昨年から、特に速い真っすぐに差し込まれるケースが目立つようになった。原監督の不満もその辺りにあると思います。結果も内容も見せていかないと、昨年以上にシビアに起用されるはず。今年はセ6球団の力が拮抗しています。オープン戦の結果を見ても阪神の防御率が2.12、DeNAが2.49、ヤクルトが2.86と投手陣は整備されている。投手陣に不安を抱える巨人が4連覇を達成するには打線の奮起が必要なのは確かです」