ベイ快進撃の陰に川村投手コーチ 権藤氏が「知性ある」と評価
用兵の裏側を詮索したくなる試合があった。
5月15日の広島戦だ。DeNAの6-5で迎えた九回裏。中畑監督は、絶対的な信頼を置かれるようになったルーキー守護神の山崎康ではなく、中継ぎ左腕の田中に抑えのマウンドを託した。開幕から24試合に投げている山崎康は、この時点で7試合連続登板。登板過多、蓄積疲労が心配され始めた中で、DeNAベンチはストッパー温存を決断したわけである。
私なら山崎康を使っただろう。セーブがつく場面の1イニング限定という起用法さえ守れば、連投にはさほど気を使わなくていい。3点差以内で勝ち続けることは不可能なのだから、長いシーズンではそのうちイヤでもマウンドに立てない展開が続くことも出てくる。だったら、使えるうちに使う、と私は考える。
とはいえ、DeNAにとってその日は、4連勝と日本一になった98年以来となる2ケタ貯金がかかった試合。どうしたって前のめりになるところで、ベンチが我慢した。これはこれで、かなりの勇気がいることである。
その決断を誰がしたのか。最終的に中畑監督が決めたのは当然として、その過程で投手コーチ川村丈夫の進言なり要望があったのではないか。