マウンド、ベンチ裏に工夫…巨人苦しめるヤクルトの「地の利」
ヤクルトが16日のCSファイナル3戦目に勝利し、王手をかけた。
今季のヤクルトは神宮で44勝22敗1分けと圧倒的な強さを見せ、巨人戦でも8勝3敗と分が良かった。「地の利を存分に生かしていますからね」と球団OBは言う。
その一つがマウンドである。今季からマウンドの土を粘土質のものに入れ替え、試合前にはそれをグラウンドキーパーがカチカチに固めている。球場を併用している大学野球の後に試合が行われることが多く、マウンドが荒れないようにするための工夫でもある。
ヤクルト投手陣は投げ慣れているが、巨人にとってはこれが厄介。先発した巨人の菅野は神宮で今季、0勝3敗、防御率6.89と全く振るわず、この日も敗れた。
「足で土を掘って、自分に合った傾斜を作りづらい。菅野をはじめ、多くの投手は神宮は投げづらいと嘆いている」(巨人OB)
ベンチ裏のロッカールームも他の本拠地球場に比べて狭い。控え選手が素振りなどの準備をするスペースにも事欠くが、ヤクルトは今季から一工夫を加えた。首脳陣のプランで1台40万円するトレーニング用の高級エアロバイクを置いた。約35キロの重いこの器具を橘内コンディショニング担当が毎試合前に、ベンチ裏へ運び入れる。控え選手によっては、バイクを漕いで心拍数を一気に180程度まで上げてから打席に向かうことで、適度な緊張や興奮状態でプレーできるという。もちろん、敵の三塁側ベンチ裏には置いていない。