ロシア国内で波紋 反ドーピング機関幹部に不審死相次ぐ
ロシア陸連による組織的ドーピングに関わっていたとされる人物の不審死が相次いでいる。
ロシアのタス通信は15日、ドーピング問題で昨年12月に辞任した同国の反ドーピング機関(RUSADA)のニキータ・カマエフ前エグゼクティブ・ディレクターが死亡したと伝えた。50歳だった。趣味のスキーをして帰宅した後、心臓の異変を訴えて、そのまま息を引き取ったという。
RUSADAの元幹部は2月3日にもビャチェスラフ・シニョフ前チェアマンが亡くなったばかり。同氏の死因は明らかにされておらず、地元メディアなどは「わずか2週間の間に2人の元幹部が死亡した」などと懐疑的に報じている。
実際、カマエフ氏は健康面に不安はなく、辞任するまで精力的に職務をこなしていたという。
ロシア陸連による組織的ドーピングをめぐっては、昨年11月に世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会が報告書で「ロシア連邦保安局(FSB)が違反のもみ消しを図っていた」と指摘。ロシア国内ではRUSADA幹部の死に疑惑の目が向けられている。
ロシア陸連に資格停止処分を科している国際陸連は3月の理事会でリオ五輪の出場可否を判断する。RUSADA幹部の死は女子棒高跳びイシンバエワらトップ選手のリオ五輪出場にも影響しかねない。