中国戦勝つのみ なでしこ佐々木監督は“宮間外し”できるか
自分自身のことを感覚派と呼ぶ澤と違って、理詰めで試合を語れるタイプ。実際、試合前に対戦相手の分析、対処方法をチームメートに伝授するのは宮間だし、試合中も周囲の選手にポジショニングの指示を出し、交代選手に「あの選手の裏のスペースを突いて」など具体的なアドバイスも送るのも宮間の役回り。佐々木監督の信頼は澤以上だった。だから宮間自身が衰えた分、そのままチーム力の低下に直結。これが五輪予選の大苦戦を招いた。
勝ち点3獲得が最重要課題だった韓国戦。1─1で試合終了の笛が鳴った瞬間、いつもポーカーフェースの宮間が、顔を歪めながら両手を両ヒザの上に置き、精根尽き果てた風情でうなだれた。
「予選初戦のオーストラリア戦、2戦目の韓国戦ともに、宮間は先発フル出場しましたが、韓国戦など後半に入ると『宮間の調子が悪過ぎる。選手交代でベンチに下げるのは、まず宮間ではないか』と思わずにはいられませんでした」(サッカージャーナリスト・六川亨氏)
残り3試合、佐々木監督に「宮間を外す勇気があるか?」――。