未だ防御率0点台 G菅野「連続好投」助ける打者の“早打ち”
巨人のエース菅野智之(26)が13日のヤクルト戦でまたも圧巻の投球を見せた。八回までわずか1安打。二塁すら踏ませなかったが、1-0の九回に小林誠の悪送球などが絡んで同点。5勝目は消えたものの、9回を2安打10奪三振1失点とほぼ完璧にヤクルト打線を封じた。8試合を投げて防御率は0.68だ。
菅野は最終的に129球を投げたものの、八回終了時点で108球の完封ペース。ヤクルト打線の「早打ち」を逆手に取って凡打の山を築いた。打たせた内野ゴロは九回で11を数えた。
これまでヤクルトと3試合、阪神、DeNAと2試合ずつ、広島と1試合対戦。高校、大学の同級生で、誰よりも菅野を知り尽くす広島の1番・田中はこう話している。
「ここぞという時にスライダーを投げるのは高校時代から変わっていないんです。これに対応するしかありません」
ただ、そのスライダーは狙っていても簡単には打てない切れ味がある。だから、いよいよ早打ちになるのだ。セ・リーグのあるスコアラーがこう言った。
「菅野のこれまでの8試合を見ると、どのチームも追い込まれると厳しいからと、どんどん早いカウントから打っていって凡打する展開。今度は逆に球数を投げさせる戦い方をしないとダメかもしれない。七回くらいで降板してくれれば、終盤はチャンスになるわけだし、仮に負けてもシーズン後半に疲れが出るような、先を見据えたやり方をしないと。打つ手なく、ただ負け続けることになります」
九回に坂口に浴びた痛恨の同点適時打は、151キロの内角直球。詰まりながらも中前へ運ばれたのは、121球目で球速ほど威力がなかったからかもしれない。菅野相手に早打ちはもうやめよう、ということのようだ。