甲子園地区予選を席巻 “ハーフ球児”スカウティングの裏側
20日の5回戦で帝京に敗れたものの、日本ウェルネス(東東京)の渡部健人内野手(3年)は、4回戦で2本塁打を放って16強入りに貢献。母はフィリピン出身だ。
昨年はナイジェリア人の父と日本人の母を持つ関東第一のオコエ瑠偉外野手が夏の甲子園で活躍、楽天からドラフト1位指名された。
高知中央の日米ハーフ左腕・日隈ジュリアス投手はヤクルトに4位で入団した。ハーフ選手が高校球界を席巻しているのは今年に限ったことではない。
横浜の元野球部部長で、現在は臨時コーチとして北海道から沖縄まで全国を回る小倉清一郎氏がこう指摘する。
「最近は全国的にハーフ選手が増えた印象はありますね。万波もそうですが、やはりパワーが違います。筋肉の質が違うんです。中学生をスカウトしに行って実力を比較したら、どうしたってハーフ選手の方が有利。身体能力が高いですから。複雑な家庭が多いため、ハングリー精神も旺盛。『将来プロで稼いでやるんだ』と一生懸命やります。スター選手、中心選手になれば、周りに人が集まり、『あいつと一緒なら勝てる』という雰囲気も生まれます」