甲子園地区予選を席巻 “ハーフ球児”スカウティングの裏側

公開日: 更新日:

■新興私学のハーフ選手に共通点

 ハーフ選手の運動能力の高さは疑いようがないが、高校野球に限れば「ハーフ選手は得てして新興の私学に多い」(甲子園常連校の監督)という。

高校野球は他のスポーツと比べてもカネがかかります。硬式用のグラブにバット、スパイクは自前で揃えなきゃならないし、合宿や遠征などにかかる費用もバカにならない。2月はプロ野球同様、沖縄や九州でキャンプをやる学校も珍しくありませんから。親御さんにしてみれば、子供を野球名門校に入れて野球をやらせるのはかなりの負担になるのです。なので甲子園で優勝を狙うような有名私学は、経済的負担をクリアできるような選手しかとらない。けれども野球で学校の名前を売り、受験生を集めたい新興私学は別です。特待生どころか寮費まで面倒をみるなど、なりふり構わないスカウティングでハーフの選手を獲得すると聞いています」

 冒頭に挙げた選手たちがそうだとは言わないが、こういった新興私学のハーフ選手には共通する部分があるという。

「中でも父親が外国人のハーフ選手には、母親が女手ひとつで育てているケースが多い。経済的に恵まれない家庭は、喜々として子供を野球留学させますよ。母親にしてみれば子供を寮に入れてもらえるわ、学校にしつけもしてもらえるわ、子供が思う存分、好きな野球に打ち込めるわと、いいことずくめですからね」とは別の野球名門校の監督だ。

 実績ある請負監督を招聘し、環境を整え、素質ある選手を鍛える――野球学校が甲子園に出場、結果を出す典型的なパターンだが、中でも手っ取り早く効果的なのは身体能力に優れた選手を集めること。全国津々浦々の野球学校がハーフ選手の能力こだわり始めたのは間違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」