リオ五輪メダル1号近藤亜美 4年後は国内ライバルずらり
口をついて出たのは謝罪の言葉だった。
日本勢メダル第1号となる銅メダルを獲得した近藤亜美(21)。3位決定戦で有効を奪って優勢勝ちとなったが、試合後には「実力のなさがはっきり出た。申し訳ない気持ちでいっぱいです。(準決勝の相手の)パレート選手の監督から、メダルがあるのとないのとでは全く違うと言われました。対戦相手の監督から言われて情けない」と涙を流した。
14年に世界選手権で優勝。初の五輪となった近藤は早くから、シドニーとアテネで連覇を果たした谷亮子の後継者として期待されていた。しかし、小学校時代から染みついた食生活の乱れや練習嫌いが自身の首を絞めるように。高校時代の恩師から叱咤激励を受け、心を入れ替えたというが、48キロ級の椅子は1つしかない。雪辱を誓った20年東京五輪に向け、ライバルはすでに近藤に牙をむいている。
1人目は遠藤宏美(23)。今年の「全日本選抜体重別選手権」決勝で近藤に惜敗して準優勝に終わった。4年後は27歳。「最後の五輪」と位置付けて、背水の陣で代表権奪取に臨むだろう。もうひとりは常見海琴(18)。昨年の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した若手のホープとして注目されている。今年から北京五輪金メダリストの谷本歩実助監督、その妹・育実コーチが指導する「コマツ」に所属。未来のメダリスト候補として期待されている。
「この悔しさを次のオリンピックで必ず生かしたい。(負けを)しっかり受け止めて、次は東京で」と前を向いた近藤だが、そこに自分の椅子はないかもしれない。