「不正なし」で終わらず 東京五輪招致に“疑惑再燃”の火種
これで招致委の疑惑が晴れたとするのは早計である。ディアク父子は一連のロシア陸連による組織的ドーピングに関わっていたとしてフランス司法当局が捜査を進めており、国際的な指名手配を受けているからだ。父子の身柄が拘束され、ドーピング問題に加えて東京五輪招致に絡む金銭授受に関して供述すれば、疑惑が再燃しかねない。
そもそも今回の報告結果は、舛添前知事が、政治資金の「公私混同」疑惑を自分が選んだ弁護士に調査させたようなものではないか。
調査チームのオブザーバーを務めたJOCの松丸喜一郎常務理事は「最大限尽くした調査によって違法な決済はなかったことが証明された」と強調したが、胸をなでおろすのはまだ早い。