石浦10連勝で“スピード出世”期待も 正念場は来場所以降
新鋭の石浦(26)が、11月場所でその名をとどろかせた。
新入幕ながら三役経験もある妙義龍を撃破するなど、10勝5敗。敢闘賞も獲得した。173センチ、114キロの小兵だが、格闘家を彷彿させるマッチョ体形。それが右に左に素早い相撲で先輩力士たちをコテンパンにしたのだから、今後のスピード出世を期待する声も出ている。
しかし、ある親方は「新入幕力士は『お客さん』のようなものだからね」と、こう続ける。
「石浦が跳んだりはねたりと何でもしてくる力士なのは、角界でも知れ渡っていた。でも、多くの力士は実際に対戦しない限り、相手のことはわからないと思っている。初顔合わせの相手には、まず正面からぶつかって力を測ることを考えるもの。石浦にとっては来場所以降が本番。今度は相手も本格的に対策を練ってくるよ」
別の親方もこう言う。
「石浦の欠点は軽すぎる体重です。114キロでは立ち合いの圧力も弱く、十両レベルといったところ。12日目の勢戦では低い姿勢でまともにぶつかったが、当たり負けしている。現状では同じ小兵力士だった舞の海(元小結)以上になれるかどうか、といったところでしょう」
新入幕で13勝2敗と活躍した逸ノ城も、翌場所は8勝7敗。スピード出世を簡単に許すほど、幕内は甘くはない。