12度目防衛 山中「神の左」が握る日本ボクシング界の未来
大記録まであと1つだ。
2日、王者の山中慎介(34)が7回TKOで12度目の防衛に成功。5ラウンドに挑戦者カールソン(26)から出合い頭の右フックを浴びて「あわや」の場面もあったが、得意の左で計5度のダウンを奪った。
世界戦連続防衛12回は国内2位の記録。1位は具志堅用高が77~80年にWBA世界ライトフライ級で打ち立てた13回だ。
山中が所属する帝拳ジムとは別のジム関係者は「山中には頑張ってもらわないと困る」と、こう続ける。
「具志堅さんの時代は黙っていても入会者が後を絶たなかったが、それからは右肩下がり。辰吉フィーバーで一時は持ち直したものの、今は『冬の時代』です。亀田? あんなつくられたスターではジムへの入会者は増えませんよ。現在は井上(WBO世界スーパーフライ級)や井岡(WBA世界フライ級)ら他にも世界王者はいるが、存在感では山中に及ばない。今どき、ピンで世界戦を地上波放送できる王者は山中くらいです」
具志堅の記録まであと1勝、さらに「カンムリワシ超え」ともなれば、いよいよ山中の価値は増す。本物のチャンピオンの露出が増えれば、それだけ日本ボクシング界にも活気が出る……ということなのだ。
山中自身は常々、防衛回数に興味はないと話しているが、「意識はしていませんが、みなさんが期待して楽しんでもらえればいい」とは試合後のコメント。
再び日本ボクシング界に黄金時代をもたらすことができればいいが……。