オランダ戦では感情露わに 侍J指揮官にどんな“変化”が?
「死闘でした。勝ちたいという執念だけだった」
小久保監督は目を真っ赤に腫らしながら、何度も「執念」と強調した。
12日の第2ラウンド初戦のオランダ戦。日本は延長十一回タイブレークの末、8-6で勝利し、決勝ラウンド進出に一歩近づいた。
1次ラウンドでキューバ、オーストラリア、中国に3連勝して臨んだこの日の一戦、指揮官は動いた。
1次ラウンドで打率.545と絶好調だった松田をスタメンから外し、田中を1番、秋山を8番で起用した。奈良原ヘッドコーチは「足を使えるオーダーを考えた」と説明。チーム周辺では「田中も秋山も状態が良かった。この日の田中は5タコで結果が出なかったとはいえ、使うのが遅過ぎたくらい」との声もある。
小久保監督の言動にも変化が見え始めた。
開幕前は重圧にさいなまれていた。練習試合のプレーボール直前、「7日までに状態を上げていってください」と選手に伝える声も、どことなく力がなかったという。練習試合を2勝3敗と負け越したことも加わってか、体調が優れず、食事が喉を通らない状態が続いたそうだ。小久保監督と旧知の関係者が東京ドームを訪れて、「少し顔が痩せたんじゃないか」とつぶやいたこともあった。勝利した7日のキューバ戦後に、「こんなにプレッシャーがかかるとは思わなかった。地に足がつかなかったくらい緊張した」と言った。15年のプレミア12では継投失敗で優勝を逃し、小久保監督批判が噴出した。日の丸を背負うプレッシャーは推して知るべしではある。