男子ツアー“ジリ貧”の象徴 「中日クラウンズ」はAO頼み
【中日クラウンズ 初日】
「青木功(74)と尾崎将司(70)の2人をペアリングにして、大会のウリにするのは寂しい限りです。2人合わせて28オーバーでは、見せ物にもならない」
こう指摘するのはゴルフ評論家の児島宏氏だ。
今大会は、かつて男子ツアーの春の華やかな大会として有名だった。歴代チャンピオンにはグレッグ・ノーマン、セベ・バレステロス、デービス・ラブⅢ、ジャスティン・ローズらメジャータイトル保持者が名を連ねる。それどころか、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤーのビッグスリーのほか、フレッド・カプルス、ジョン・デーリー、コーリー・ペイビンも出場したことがある。米ツアーが行われている最中に、わざわざ来日出場したのだ。
「大会は地元テレビと新聞社の主催で、トヨタ自動車が協賛と名古屋を代表する目玉のゴルフ大会です。景気の良かったころは国際招待ゴルフと銘打って、優勝賞金と同額ともいわれたアピアランスフィを用意して、毎年のように大物外国人プロが出場したものです。しかし、米ツアーは2000年ごろからタイガー・ウッズが活躍しだして、同時に放映権料が跳ね上がり、優勝賞金がどんどんアップしていった。いまでは1億円を超えており、今大会優勝の2400万円では見向きもされないでしょう。それに世界ランク加算のポイントを見ても、大物外国人プロがわざわざシーズン中に日本まで行って出場する魅力を感じないのでしょう」(前出の児島宏氏)
昨年実績で今大会優勝者に与えられるのは16ポイント。試合形式は違うが、今週行われる米ツアー、チューリッヒクラシック優勝は昨年実績で44ポイント、優勝賞金は126万ドル(1億3860万円)だ。大会レベルの違いがよく分かり、AO頼みが似つかわしいのだ。