1年半で頂点に 平野美宇の“進化の秘密”指導コーチに聞く
平野がそこまで石橋を叩いて渡るようになった原因は、リオ五輪代表に落選した2015年9月までさかのぼる。翌10月、中澤コーチとコンビを組んでプレースタイルを大幅に変更。その2カ月後、新スタイルで臨んだマレーシア世界卓球選考会(広島)で初戦敗退。それ以降、「変化に対する恐怖」が芽生えたという。
「リオに出られず、プレースタイルをガラリと変えようと思っていた。ただ、自分のものにするには時間が短すぎて、選考会で初戦負けしてしまった。その失敗があってから、平野には『もし変えたら完全にダメになるかもしれない』という怖さがあった。でも、『若いうちにいろんな挑戦をした方がいい』と説得した。僕がコーチになって2カ月くらいの頃、長いこと話をしましたね。結果が出るまで言い続けるしかないので、粘り強く説明しました。スピードやボールの回転量は他の女子選手に比べると優れているので、形になると思った」
■食生活に関しても「ハッキリ言う」
卓球に対しては真面目で慎重すぎる半面、普段は天真爛漫な17歳。多感な時期でもあるが、中澤コーチは容赦ない。