東京五輪メダルが重圧に 日本でアスリート犯罪続出の恐れ

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 悪意がないことから、過失にとどまるとして数カ月の資格停止処分になる見通しだが、2014年のソチ五輪では、「地元」ロシアが国家ぐるみでドーピングを隠蔽。現段階で失格者43人、メダルは33個中13個が剥奪された。もはや日本も他人事ではない。

 元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏は「カヌーの件でいえば、競技団体自体が成熟していないことが、事件が起きた一因」と言って続ける。

「日本はドーピングに対する意識も未熟です。だから不注意による薬物違反が多い。でも、それは世界では通用しません。国家ぐるみでドーピングをしたロシアは、知識とテクノロジーのレベルが日本とはケタ違いに高い。だからこそあれだけ大規模な不正ができたのです。それは『負の知識』『負の財産』ですが、これまで性善説を唱えてきた日本にはそれがない。組織的なドーピング違反の可能性は低いでしょうが、一方で、知識や技術が未熟なゆえに『この時期なら大丈夫じゃないか』と使ってしまったりする選手がいるかもしれない」

 JADA(日本アンチ・ドーピング機構=2001年設立)の報告によると、風邪薬や市販薬を服用したことで陽性反応が出る「うっかりドーピング」は少なくない。一方で、ロシアのように筋力増強や持久力向上など、競技力向上目的の摂取はごくわずかだった。

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