首位キープでも…広島がいまだ悔やむ河田元コーチの移籍
開幕から1カ月。セ・リーグはまだ「ダンゴ状態」が続くといわれている中、シーズン連覇の広島が首位をキープしている。
その広島にとって、あの人の「移籍」は今でも後ろ髪をひかれる思いだという。「貴重な存在だったからね」と話すのは、高ヘッドコーチだ。
「河田(雄祐元外野守備走塁)コーチは選手を盛り上げたり、気持ちを持っていくのがうまかった。(緒方)監督や外国人選手とも積極的にコミュニケーションを取ってくれていました。今、彼の代わりになる人はいないですね」
河田コーチは昨オフ、石井琢朗打撃コーチと共に2年間在籍した広島からヤクルトへ移籍。秋季キャンプからチームに合流すると、カープ流の指導で盗塁時のリードや守備を選手に叩き込んだ。集中力が切れやすくサボリ癖のあるバレンティンにも片言の英語とジェスチャーを駆使。要所要所で監視しながら笑顔とジョークで重い腰を上げさせた。機動力野球を目指すチームで孤立しないための気遣いでもあった。
ちなみに、ヤクルトは現在5位に低迷。シーズン連覇の立役者である2人のコーチを招聘しても、「知識や技術を生かせる選手がいなければ意味がない」と厳しい意見もある。