長身ナガマツ組の強みは日本人離れしたスマッシュ&探究心
バドミントンに新鋭が現れた。
世界選手権(中国・南京)で、女子ダブルスの日本勢として1977年の栂野尾悦子、植野恵美子以来41年ぶりに優勝した永原和可那、松本麻佑組(ともに22)。今大会は3回戦でリオ五輪金メダルの高橋、松友組をストレートで下すと、決勝では前回大会銀の福島、広田組に逆転勝ち。同種目の日本勢では世界ランクで最下位の9位ペアが頂点に上りつめた。
所属する北都銀行入社後にペアを結成して5年目。元世界ランク1位のタカマツペアですら成し得なかった偉業を達成し、一躍、東京五輪のメダル候補に浮上である。
松本(177センチ)、永原(170センチ)と、日本女子にしては異色の大型ペアの強みは高い打点からのスマッシュだ。
元日本協会ナショナル強化本部長の芝スミ子氏が、永原、松本組について「上背のある海外勢相手に真っ向勝負も可能なペアです」とこう続ける。
「これまで日本人選手の多くは外国人選手の高いスマッシュが頭上を越されるなど苦戦するケースは少なくありませんでした。永原、松本組は、その高く上がってきたシャトルにもきっちり対応して、打ち返せるのは何よりも強みです。前衛の強烈なリターンで相手のバランスを崩し、後衛の強烈なスマッシュで仕留めるパターンが目立ち、これまで日本にはいなかったタイプのペアです。打点の高いスマッシュに加えて、長身ながらレシーブも巧み。今後、国際試合で経験を積めば、東京五輪でも面白い存在になると思います」