白星発進の稀勢の里 “星勘定”せずに相撲が取れるかがカギ
「大事なのは15日間、相撲を取り切るという気持ちだろう。確かに稽古では調子がいいみたいだね。でも、いくら稽古したところで、本場所の土俵はまた別物。結果は後からついてくる。いまは15日間、自分の力を出し切ること以外は考えない方がいい。星勘定をしだすと油断も生まれるし、負けが込んでいるときはマイナス思考に陥りやすい。逆に『よし、あと何勝で勝ち越しだ!』と気合が入る力士もいるけど、稀勢の里はそういうタイプじゃないだろう。ただ、今日勝ったことで気持ちも多少は楽になったはず。やっぱり力士は初日に勝てば安心するものだからね」
力士の中には星勘定どころか、翌日の相手が誰かすらも知ろうとしない者も珍しくない。相手を知ったことで余計なことを考えてしまい、「自分の相撲」を取れなくなるからだ。
力士の常套句の「一日一番」は、相撲の真理でもある。残り14日間、悔いのない相撲を取れるか。