「打撃一流も守備は素人」の評 中日根尾に外野転向プラン
「スイング時に軸足となる後ろ足が折れず、うまく体重移動をして前で大きく強く振れる。野球をやっている98%の人間は実はこれがうまくできない。後ろの足を折らずに振ろうとすると、重心が後ろに残って前に押し込めないもの。ウチでは平田がこの打ち方ができている」
森野二軍打撃コーチも、「強いライナーを打っているし、打球音がいい。体の使い方がよく、バランスがいいから体が開かない。だからフォームが崩れず、同じ形で安定して打てるのではないか。本人もいろいろ考えながらやっていることは伝わってくる」
根尾は高校時代からヘッドの走りを重視し、体が開かないことを意識してきたという。プロの球への対応など、クリアすべき課題はあるにせよ、技術面ではすでにプロレベルに達しているという評価である。
一方で、遊撃守備に関しては、荒木二軍守備走塁コーチの下、基本から学び直している段階。まだまだレベルアップが不可欠のようだ。中日OBの藤波行雄氏がこう言う。
「現状では(正遊撃手)京田の方が一枚も二枚も上。根尾は、前の打球に対する動きはできても、左右と後ろの動きが物足りない。キャンプ中盤の状態を聞くと、腰高で体全体を使った動きができず、送球も突っ立って投げるという。遊撃は一歩目のスタートの反応、フットワークが大事だし、半身や逆シングルで捕球する上でのハンドリング、さらに懐の広さも必要。投手の二塁牽制、盗塁時のベースカバー、併殺を取るための二遊間のコンビネーション、外野手との連係、カバリングなど習得すべきことは山ほどある。まして根尾は、遊撃守備に本格的に取り組み始めたのは高校2年の秋。『一歩目が遅れがち。細かいステップができない』と言うスカウトもいた。プロのレベルに持っていくには時間がかかると思う。まずは二軍で十分に経験を積み、一軍に入っていくのが理想でしょう」