松坂問題が教訓 中日根尾はサイン“配布”でファン対策本腰
20日、キャンプ最後の休日となった中日。二軍で調整を続ける注目のルーキー、根尾昂(18)は球場に姿を見せず、右ふくらはぎ肉離れの完治に向けて静養に充てた。
根尾人気は凄まじく、サイン欲しさに大勢のファンが球場に集結している。しかし、リハビリ組は基本的に球団から外出とサインは禁止されている。根尾は球場を後にする際もサインには応じず、ファンに会釈して送迎車の中から笑顔で手を振るのが精いっぱい。そのたびにファンは「今日も根尾くんのサインなかったね」と肩を落としていたが、第2クールのある日、ファンが色めき立った。
根尾が車に乗り込んだ後だった。球団広報が根尾のサインが書かれた色紙数枚を待っていたファンへランダムに配布。その場は歓声に包まれた。
広報が根尾のサインを配布したのは12日。松坂大輔(38)がファンとの接触で右肩に違和感を覚えたと発表した翌日で、沖縄県内で検査を受けた日だ。
ここ数年、球界全体でサイン入りグッズの転売が増加している。中日はさる4日、転売目的でサインを求める行為に対し、球団ホームページで注意喚起。一方で、中日球団の警備体制も問題視された。巨人や広島と違い、これまで人気の低かったチームにファンが大挙したことも「松坂事件」が起こった一因といわれている。