本田圭佑に経歴そっくり 初代表FW鎌田大地「挫折の歴史」
「大地は体幹が細いのにスルスルッとゴール前に顔を出し、点の取れる攻撃センスのある選手。貴史(宇佐美=デュッセルドルフMF)と同じ生粋のサッカー小僧やなと感じました」と中学時代に指導した梅津博徳ジュニアユース監督は言う。
だが、その後は手の骨折や急激な成長に伴う体のバランスが崩れたことで「チームで一番走れない選手」と言われた。
「陽介みたいにフィジカル的にも技術面でもスーパーな選手には、全然かなわなかった」と本人も認めるしかなかった。結局ユース昇格はならず、父の大学の後輩である福重良一監督が指導する東山高校で再起を懸けた。まずは、人見知りの性格を直すところから福重監督はアプローチした。
「鎌田に話したことの8~9割が人間性に関することでした。そこが変わればプレーの幅も質も間違いなく変化する。そういう確信がありました」
鎌田は高3に進級する前に「主将をやらせてほしい」と申し出た。
「3年間でここまで変わったヤツはいない」と恩師をうならせた男は、高校時代にゴールを量産。鳥栖からのオファーを射止めた。