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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

巨人の後輩・上原にも敬意 槙原寛己の「軽さ」に凄みが

公開日: 更新日:

■成績抜群なのに

 そういう意味では、同じ巨人OBの定岡正二やコーチ就任前の宮本和知のような、いわゆるタレントタイプの野球人に見えなくもないのだが、槙原の場合はそれでいて現役時代の実績も抜群である。ご存じ、1990年代の巨人で斎藤雅樹桑田真澄と並んで3本柱と称された、上原に負けず劣らずの名投手。上原の日米通算134勝や江川卓の135勝を上回る巨人歴代8位の通算159勝を記録し、94年には完全試合も達成している。

 要するに、槙原だって立派なレジェンドであるにもかかわらず、同番組では後輩の上原を引き立たせるべく、常に下手に出ながら時には自分を貶めるようなコメントも発していたわけだから、その姿勢には恐れ入る。プロ野球の世界で一時代を築いた名投手とは思えないような良い意味での軽さをまといつつ、必要に応じて元名投手ならではの解説もできてしまう。

 これが桑田真澄だったら、同番組も「野村×桑田×上原」のレジェンド3人と打ち出していたことだろう。槙原にはそういう配慮をしないでもいい柔和な空気がある。

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