同窓対決に圧勝 大谷が誓っていた“高1で雄星超え”の対抗心
2009年、花巻東が菊池雄星(27=現マリナーズ)を擁してセンバツ準優勝、夏の甲子園で4強入りした快挙が、岩手の野球少年たちに与えた衝撃は大きかった。
大谷翔平(24=現エンゼルス)は当時、水沢南中学3年生。地元・岩手のヒーローだった菊池に憧れて同じ花巻東に進学したといわれるが、実際は違う。
大谷は同級生との間で菊池の活躍が話題にのぼったとき、「高1で超えてやる」と言ったという。
菊池の球速や投手としての成績を高校1年で超えてみせるということだろう。菊池への憧れで花巻東に進学したのではなく、練習のスタイル、指導者、施設……同じ条件下で菊池を上回ろうと思ったのだ。
プレーするのは一関シニアだけで、中学の野球部に籍は置きながら途中からは練習試合にも出なくなった。自分から進んで野球の話をしない大谷が、菊池の話題になったとたん目の色を変えたため周囲はビックリしたそうだ。
「高1」ではなかったが3年夏の岩手県予選で当時、高校生としては最速の160キロをマークした裏側に、菊池への強烈な対抗心があったのは想像に難くない。