懸賞最多161本の貴景勝「横綱昇進」のタイムリミットは?

公開日: 更新日:

「遅くても来年いっぱいに昇進しなければ、厳しいのではないか」

 大関貴景勝(23)の綱とりについて、角界ではこんな声が上がっている。

 10日に初日を迎える大相撲11月場所。大関とりを目指す御嶽海白鵬の復活などが話題になっているが、もっとも注目を集めているのが貴景勝。8日、相撲協会が発表した個人指定懸賞は、全力士最多の161本。1本につき現金3万円なので、全勝なら483万円だ。

 貴景勝は今年5月場所で大関に昇進してからというもの、ケガに悩まされている。同場所では右ヒザ靱帯を負傷し、途中休場。7月場所も全休し、わずか1場所で大関から陥落した。9月場所で12勝を挙げ、「陥落直後なら2ケタ勝利で大関に復帰できる」という特例をクリアしたが、今度は千秋楽の御嶽海との優勝決定戦で左大胸筋を肉離れしてしまった。

 過去、大きなケガを抱えて横綱に昇進した力士はほとんどいない。横綱昇進の条件は「大関で2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」。故障持ちでは至難の業だ。

 1970年代の琴桜のように、負傷が多くても悲願を達成した横綱はいたが、なにせ当時の幕内平均体重は120~130キロ台。近年は力士の大型化に歯止めがかからず、先場所は同162・6キロだった。パワーアップに比例して体への負担も増し、昔以上にケガをしやすい環境になっている。

 貴景勝は押し相撲一辺倒。故障の多さをスピードと技術でカバーしていた日馬富士のような器用さはない。右ヒザと左胸、2つのバクダンはさらに故障の呼び水になりかねない。

 ボロボロになる前に横綱の地位を掴めるか。残された時間は少ないだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド