電撃引退の栃煌山が「清見潟」襲名…再起目指すも気力尽き
花のロクイチ組の力士がまたひとり、土俵を去った。
15日に突然、引退を発表した元関脇の栃煌山(33)。今後は、清見潟親方として、所属する春日野部屋付きとして後進の指導にあたる。
リモート会見で「次に十両に落ちたときは区切りをつけようと思っていた」と話した栃煌山は入門3年目、2007年3月場所で新入幕。以後、10年以上に渡って幕内で戦い、三役の常連だった時期もあった。昨年11月場所で12年ぶりに十両に転落。今年3月場所では2度目を経験した。
とはいえ、十両陥落で「区切りをつけようと思っていた」という3月場所から4カ月近く。なぜ、この時期まで引退が伸びたのか。
ある親方は「7月場所での再起にかけていたと聞いていたが……」と、こう続ける。
「長年、右足首のケガに悩まされ、ここ数場所は明らかに動きが悪くなっていた。そこにきて、新型コロナの影響で5月場所が中止。治療に専念する時間はたっぷりあったとはいえ、当初は7月場所の開催も不透明だった。先が見えない中でケガの治療と稽古を両立させるのは難しい。稽古にも身が入りにくく、最終的には気力が尽きてしまったのではないか」