先代貴乃花の巡業でクラブのママ「一晩お付き合いしたい」

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 大相撲夏場所が19日、東京の両国国技館で始まる。新型コロナウイルスのため、本来なら名古屋での7月場所の開催を国技館に移し、1万1000人収容のところを2500人の観客に限定する。まさに異例の開催である。異例といえば出稽古も禁止、本場所の間に行われる地方巡業も中止になっている。いずれも移動による感染を防止するためだ。

 日本相撲協会にとって巡業は相撲道を広め、地方のファンを開拓する場だが、力士にとっては息抜きの機会でもある。全国各地でタニマチに歓迎され、郷土のうまい酒、料理をふるまわれる。

 先代貴乃花(2005年死去、享年55歳)が大関(1972年11月~1981年1月)として人気を博していたときのことだ。所属する花籠部屋が、四国のある都市に巡業に訪れた。ある日、有名な日本料理店に町で1、2を争うクラブのママが訪ねてきた。その店は親方、関取がひいきにしていることで知られていた。ママは店の経営者にこう切り出した。

「貴乃花関とひとばんお付き合いをしたいの。いくら出したらいいのかしら?」

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