今年は例年以上に各球団ドラフトの「巧拙」がハッキリする
オレが推すのは「大学か社会人」で、興味をもったのはそれ以外の選手というんだからカチンときたけど、それなら部長の言う「面白い投手」はドラフト1位候補の明石商の中森俊介や中京大中京の高橋宏斗とどこがどう違うのか。中森と高橋ならどちらを選ぶつもりか、部長に聞いてみた。
「そりゃ、彼らと、中森や高橋と比べたら球筋も制球力も変化球の質も全然違うさ。一目瞭然だ。けど、今年は選手の横の比較ができない。それで頭が痛いんだ」と、こう言った。
「例年なら高校生はU―18、大学生は日米大学野球がある。日本代表クラスの合宿や試合があるから、高いレベルの中で実力を出せるか、代表クラスの投手や野手を相手に思うようなパフォーマンスを発揮できるのかチェックできる。けれども、今年はコロナ禍で代表合宿もないし、代表クラスの中でのプレーを見ることができない。甲子園の交流試合にしても、学校によっては3年生の思い出づくりのような戦い方をしてたしな。投手にしろ野手にしろ、レベルの低い相手を攻略しても評価の対象にはならないし、実際、ある程度のレベルになるとダルマさんみたいになっちまうのがいるからな」