巨人“日本S先発”落ちは?菅野以外は帯に短したすきに長し
先発4枠争いが白熱している。
巨人の畠世周(26)がさる10日の阪神戦に先発して3回を無安打無失点。最速は151キロをマークした。前回1日のヤクルト戦ではプロ初の完封勝利。今季4勝4敗、防御率2・88。状態の良さをアピールし、21日に開幕する日本シリーズの先発4枠入りへ前進した。
日本シリーズ第1戦の先発はエース菅野でほぼ決まり。問題は2戦目以降だ。阪神戦の2番手で登板した高卒2年目の戸郷翔征(20)も3回を無安打無失点。菅野とともに巨人の投手陣を牽引してきた20歳は、8勝目を挙げた9月27日以来となる9勝目(6敗)を挙げて、防御率を2・76とした。今月3日の広島戦で九回2死から同点弾を浴びるなど、シーズン終盤にきて疲労の色が濃かったが、こちらも4枠入りを手繰り寄せた。
判断が難しいのは、エンジェル・サンチェス(30)である。昨季の韓国リーグ17勝の触れ込みで加入した今季は8勝4敗、防御率は3・08。順当ならば日本シリーズの先発はこの4人の可能性が高かったが、原監督は菅野、サンチェス、戸郷、畠と右投手4人を並べることには否定的。左腕で候補に挙がるのは、5勝2敗、防御率3・16で状態を上げている今村信貴(26)だ。
誰を先発から外し、中継ぎに回すか
巨人OBで投手コーチを務めた高橋善正氏がこう言う。
「巨人の相手はまだ決まっていませんが、パ1位のソフトバンクがCSを勝ち上がってくるとすれば、柳田をはじめ、周東、栗原、中村といった上位打線に左打者が多い。確かに左腕の今村は先発させたいところ。はっきり言って菅野以外は『帯に短したすきに長し』ですからね」
それなら誰を先発から外し、中継ぎに回すか。高橋氏が続ける。
「サンチェスは5、6回を投げて2失点以上のイメージ。試合をつくってくれる投手ともいえる。開幕前のオープン戦や練習試合は炎上が続き、どうなることかと思ったことを考えれば、8勝で4つの貯金は上出来でしょう。ただ、助っ人にしては全てが平均的で突出したモノがない。大事な日本シリーズの先発を任せられるかといえば、首脳陣の信頼度はそこまで高くない気がします。ただ、だからと言って、サンチェスはリリーフで力を発揮できるタイプではない。サンチェスは先発に残して、球威と変化球のキレで勝る畠を第2先発的な長いイニングを含めたリリーフに回す方が、投手陣のバリエーションは広がる。畠は高橋由伸前監督時代にリリーフを経験しているし、ここにきても球威があって調子が良さそうです」
巨人は残り1試合。戸郷は14日のDeNA戦も中継ぎ待機で10勝目を狙う。