「和歌山の山猿」益田直也は子供っぽいのが欠点だった
その意味で、益田は子供っぽいところがありました。以前は打たれると、すぐに表情を変えていました。僕も「そういう癖は直した方がいいよ」と注意しましたが、人の性格はなかなか変わりませんからね。
■涌井がつくった伝統
そうした悪癖が、今は見受けられない。そう考えると、常に背中で見せていた涌井がつくった「伝統」がいかにありがたいか。涌井は常にポーカーフェースですから。
僕がルーキー時代の1999年は園川一美さんの現役最終年。小宮山悟さんはベイスターズにFA移籍する前年です。そんな先輩方が、誰よりも熱心に汗を流している。僕ら若手はそんな彼らの練習風景、立ち居振る舞いなどを見て、「同じ質、量の練習ではこの人たちを抜けない。もっともっと努力しなきゃダメだ」と気が引き締まりました。それがプロ野球におけるチーム内の「伝統」なんです。
そういえば、先日、小宮山さんが監督として指揮を執る早稲田大学が、六大学の秋季リーグで優勝しました。せっかくなので、次回は小宮山さんの思い出を話そうと思います。 =つづく