勝利と育成の両立を成功させたドジャースの「カネと頭脳」

公開日: 更新日:

 お金がないゆえにアタマを使って一定の強さを維持しているレイズの人材は、グラウンド内外で引っ張りだこ。そんなレイズの頭脳に最初に目をつけたのはドジャースである。

 2014年オフ、それまでレイズでGMを務めていたアンドリュー・フリードマン氏のドジャースのチーム編成責任者就任のニュースはメジャー球界に驚きをもって迎えられた。

■マイナー組織の充実

 しかし、これはとても単純な思考に基づく人事ではある。お金がない球団を成功に導く頭脳があれば、そこにお金をつぎ込むことによって、より大きな成功へと導いてくれるはずだからだ。ちなみに15年のチーム総年俸でドジャースはおよそ282億円でメジャーで飛び抜けた1位、レイズはその4分の1強の77億円で28位だった。

 フリードマン氏がまず取り組んだのはマイナーなど下部組織の充実、チーム編成に関するスタッフの刷新、内外におけるスカウト人材の育成だった。

 ドジャースは19年のマイナー組織の戦力ランキングでレイズ、パドレスに次ぐ3位だった。強いチームは若手有望株と引き換えに大物選手を獲得、シーズンを勝ち抜くことに集中するケースが多い。ゆえに下部組織の才能は枯渇し、将来も勝ち続けられるだけの戦力を保持することは困難といわれる。ドジャースはしかし、勝利と育成を両立させている。前にも触れたように柳や前田など結果を出している外国人選手を一気に放出しても戦力低下につながらないだけの選手層の厚さを持ち合わせているのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”