阪神のドラフト下位ルーキーは意外にモノになる 期待は2人
もっと時代をさかのぼると、ドラフト5位には新庄剛志、4位には坪井智哉、川尻哲郎、桧山進次郎、田村勤といった個性豊かな面々が並び、3位にも福原忍、浜中治、八木裕、和田豊といった渋い顔触れがいる。ちなみに1990年代に新庄とのコンビで人気を博したガッツマン・亀山努は87年ドラフト外入団だ。
そして極めつきは73年のドラフト6位・掛布雅之だろう。ご存じ、テスト生同然の無名の高卒ルーキーから球界を代表する4番打者にして、ミスタータイガースと呼ばれるまでに駆け上がった掛布は、ドラフト下位からのシンデレラストーリーを語るうえで象徴的な存在だ。大物ドラフト1位だった田淵幸一や岡田彰布とはわけがちがう。
そう思うと、今年のルーキーも佐藤輝明以外に注目したくなる。特に6位の中野拓夢(三菱自動車岡崎)はチームの補強ポイントでもある二遊間を守れる俊足巧打の内野手だというから、阪神お得意のいぶし銀系・小兵バイプレーヤーに育つかもしれない。この手のパターンの前例は先述した糸原、木浪、藤本、和田以外にも多数ある。
また、8位の右腕・石井大智(四国IL・高知)はドラフト全体でも最後となる74番目に指名された正真正銘の最下位選手。身長175センチと小柄だが、阪神ではこういう地味な投手が貴重なリリーフとして活躍する伝統があるから侮れない。
いよいよ来月からキャンプが始まる。大物ルーキー・佐藤輝明だけでなく、彼ら掘り出し物にも注目していきたい。