野村監督“独演90分”ミーティング「働き一両、考え五両」
まずは組織論だった。
「君たち選手は、お金を払って球場に見に来てくれるファンのためにプレーをしなければならない。ファンが最も喜ぶことはチームの勝利。だから、君たちは一丸となって勝利を目指さなければいけない。これが前提だ。でも、弱いチームは自分の成績ばかりを追ってしまう。君たちは社会に生かされ、組織に生かされている。いかに組織の役に立てるか。ベンチにいる選手全員にそれぞれ役割がある。それを理解しながら、いつ何時もチーム第一主義でチームに貢献することだけを考えろ」
■「働き一両、考え五両」
最初の頃、「野球の前に人間学や社会学も大事なんだ」とこんな説明をしていた。
「人として生まれる=運命」
「人として生きる=責任、使命」
「人を生かす=仕事、チーム力」
「人を生む=繁栄、育成、継続」
この中でも野村監督は特に「人を生かす」ことを重視しているという。私が捕手から外野転向を命じられたのも、打撃を生かすためだったのだろうか。