楽天先発4本柱は「通算538勝」史上最高ローテには落とし穴
確かに、豪華なメンバーではある。
日米通算177勝の田中将大(32)が復帰した楽天。涌井秀章(34)、岸孝之(36)、則本昂大(30)に田中を加えた今季の先発ローテーションは「12球団随一の超強力布陣。4人で通算538勝という史上最高のローテが完成した!」と、スポーツ紙は興奮気味に報じている。
「開幕3戦目の先発が決まったドラフト1位左腕の早川(隆久=早大)もレベルが高い。楽しみな顔触れが揃いました」
そう言いつつ、評論家の橋本清氏が続ける。
「気になるのが、豪華4本柱の年齢です。最も若い則本でも30歳。体のキレや疲労の回復などに影響が出始める頃です。コロナ禍の影響で昨季はシーズン終了が11月までずれ込み、ただでさえ今季はオフが短く難しい調整を強いられた。実績も経験もある4人はゲームをつくるという点ではもちろん計算できますが、イニングを稼ぐという点では慎重に見る必要があると思います」
実際、9月以降の6連勝で昨季7勝を挙げた岸は調整遅れで開幕二軍。腰痛が長引き、2カ月間の二軍落ちも経験した。一昨年は自己ワーストの3勝に終わっている。2019年に右肘を手術した則本も2年連続で5勝止まり。年齢と体の状態を考えれば、フル回転というわけにはいかないかもしれない。