三笘のドリブルが強豪に通用すれば代表入りと海外が視野に
ただ、彼は「途中から出て自分の特長を出したうえでの得点が多いので『途中からしか決められない』と見られていると思う。もっと先発で出て、シュートを打ち、ゴールに絡むことが課題なので、満足はしてないです」と納得していなかった。
だが、2年目の今季は不動の左MFに定着。今季初の公式戦だったゼロックス杯で2ゴールを挙げると3月3日のJ1・セレッソ大阪戦でも決勝弾を叩き出すなど、切れ味鋭いシュートは健在だ。
■大学卒論のテーマはサッカーの「1対1」という理論派
それ以上に脅威なのは、メリハリをつけた長短のドリブルだ。
世界を見るとC・ロナウド(ユベントス)やネイマール(パリSG)など爆発的なスピードを武器にグイグイ前進するタイプが多いが、三笘は緩急をつけながら相手を食いつかせ、ギリギリまで状況を見つつ、シュートかパスかを選択できる。
「自分は駆け引きするだけっていう状況をチームメートが作ってくれていることが、裏を取れる秘訣だと思います」と本人は謙虚な物言いを繰り返す。が、大学時代には「小型カメラを額に付けて視覚から得た情報とドリブルとの因果関係」を考察し、「サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究」を卒業論文にまとめた理論派なのである。