有藤さん主催の宴会はブランデーの回し飲みが恒例イベント
有藤通世さんが現役の頃、私はオフに有藤さん主催のゴルフ&宴会に参加させてもらっていた。開催場所は伊豆の旅館が多かった。
有藤さんを筆頭に、遊撃手の水上善雄さんら先輩がいて、私と同い年の内野手である佐藤健一(兼伊知)が一番若かった。
日が傾き始めてゴルフが終わりに近づくと、それまで楽しかった気持ちが徐々に憂鬱になっていく……。
その原因はラウンド後の宴会にあった。
先輩たちのグラスにビールをつぎ、有藤さんの乾杯の音頭で会がスタート。時間が経つにつれ、グラスの酒はビールからブランデーやウイスキーに変わり、ピッチも上がる。1980年代当時はまだ、焼酎がそれほど出回っていなかった。野球選手は「XO」などアルコールの強い洋酒を愛飲していた。
「ニシ! ガンガン行け!」
テンションが上がってくると、決まってブランデーの一気飲みが始まる。
氷入れとして使っているドンブリ大の器に、ドボドボとブランデーをつぐ。これを回し飲みするのである。