胆石で緊急入院…18連敗中に現場復帰し、選手に頭を下げた
捕手の福沢が内角へ構えた瞬間、少し嫌な予感がしたが、誰が配球を責められよう。
チームは延長十二回にサヨナラ負けを喫し、マスコミは「七夕の悲劇」と報じた。翌8日も敗れて18連敗となったが、9日のオリックス戦に勝ち、ようやく長いトンネルを抜け出すことができた。
18連敗は指導者として大きな糧になった。私は選手に「深く考えすぎるな。切り替えていこう」と言葉をかけるなど、気持ちが前向きになるように心掛けてきた。
決してなれ合いではない。チームは97年以前の過去10年間でBクラス9度という暗黒時代にいた。
敗因やミスを厳しく指摘して萎縮させるのではなく、敗戦の中でも選手が成長した部分を見いだし、それを伸ばしてほしいと思っていた。
しかし、チームは最終戦を前に最下位が決まった。シーズン残りわずかとなったところで近藤昭仁監督がポツリと漏らした。
「今年で辞めるから……」 (つづく)