地方の大学生選手を見るときは先入観やウワサ話は排除しろ
オレにとって、苦い思い出しかない。週明けの7日から、神宮と東京ドームで行われる大学選手権のことさ。
10年以上前だから時効といえば時効だとも思うんだけど、地方の大学の右腕が神宮でとんでもないピッチングをした。140キロ超のストレートはキレがあり、バッタバッタと三振を奪った。ネット裏は一時、騒然としたくらいだ。
マウンドで快投を続けるこの投手はしかし、いかにも線が細い。おまけに帽子を浅く斜めにかぶってるし、ベンチとの行き来もチンタラしてたんで、試合後、学校の野球部関係者をつかまえて詳しく聞いたんだ。その右腕の性格やら練習態度を。
すると練習やトレーニングをほとんどやらないうえに、性格もチャランポランだという。
これはもう、目からウロコ。後日、行われたスカウト会議で、その右腕の名前が指名リストのかなり上の方にあったんで言ったんだ。「あの細い体や帽子のかぶり方を見たでしょう。性格や練習態度に問題があるんです。プロの厳しい練習についてこれませんよ」ってね。